スポーツ

広島カープ 広陵・中村の甲子園大活躍に複雑な思いの理由

単独指名の目はなくなった?(写真・時事通信フォト)

 高校通算HR記録を更新し、秋のドラフト会議でも争奪戦必至の早稲田実業の清宮幸太郎。しかし「高校時代の活躍」は「プロでの成功」とイコールでない。選手の適性や性格に加え、入団する球団のチーム事情など様々な要素が未来を左右する。清宮の場合、ファーストしか守れないという不安要素があるが、その点、甲子園で走攻守揃った活躍を見せつけた広陵・中村奨成はどの球団でも輝ける存在といえる。

「巨人、阪神、中日、楽天など正捕手が固まらず頭を抱えているチームなら高卒ルーキーでも出場機会を得られやすい」(スポーツ紙記者)

 捕手として大成するには、高卒でのプロ入りが最短距離だ。野村克也氏は本誌の取材に何度もこう話している。

「大学出身のキャッチャーは信用しない。大学や社会人野球では一発勝負のトーナメント形式が多く、その場しのぎのリードが癖になってしまう。プロ野球80年の歴史を見ても、名捕手には高卒が多い。18歳から22歳頃までの4、5年間が一番大事。その時期にプロ野球の基礎作りをしなくちゃならない」

 三冠王を獲得した野村氏自身が高卒の名捕手である。しかしこの「ノムラの教え」を実行に移せる球団は少ないだろう。

「常勝を求められる巨人が経験値の少ない高卒捕手を我慢して使い続けられるとは思えない。中村は広陵の先輩である巨人の小林誠司を憧れの捕手に挙げているが、その小林の起用法を見ればよくわかる(笑い)。強いていうなら捕手出身の梨田監督率いる楽天は、高卒捕手にとってチャンスを与えられる球団ではないか」(前出・スポーツ紙記者)

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン