ライフ

市販薬 手軽さゆえ使い方次第で逆効果が生じることも

市販薬は便利な存在だが…

 都内在住のAさん(65)は、夕食後から胃の痛みを感じ始めた。だが、食べすぎた日の夜に同じように痛むことがこれまで何度もあったため、“ただの胃もたれだろう”と思い、すぐに自宅の薬箱にあった市販薬の胃薬を飲んだところ、痛みが治まった。ところが、就寝中にさらに激しい胃痛で目が覚めてしまった。

「翌朝、慌てて病院で診てもらったら、『胃薬の影響で胃酸が減少し、消化不良に陥ったため胃痛が悪化した』と言われました。胃薬のせいでかえって胃が悪くなるなんて……」(Aさん)

 その後、医師から消化を促す薬を処方されたことで、Aさんの症状は快方に向かった。

 Aさんの例は決してレアケースではない。ドラッグストアや薬局などで購入できる市販薬(一般用医薬品)は病気などで体調不良を感じたとき、わざわざ病院に行かずとも助けになる頼もしい存在だ。

 しかし、実は服用方法を間違えると大事に至るケースがある。2009年度から2013年度までの5年間に製薬会社が報告した、市販薬の服用によって体調に異変が生じたケースが1255件。そのうち、死に至った重篤な症例が15例、後遺症が残った症例が15例ある。『その「1錠」が脳をダメにする』の著者で薬剤師の宇多川久美子氏が解説する。

「『処方薬』は効能が強い代わりに副作用も強く、医師の処方箋が必要です。それに対し、『市販薬』は処方箋が不要のため、症状が出たら薬局などで購入してすぐ服用できるメリットがあります」

 だが、その“手軽さ”ゆえに、使い方次第で“逆効果”が生じることがある。宇多川氏が続ける。

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン