二〇一五年九月場所、三段目で二人の対戦があり岩崎が勝っているのだが私は見ていない。いつか幕内で組まれるだろう二人の取組を想像してみると、低い宇良と猿のように跳ね回る翔猿、相撲ではないなにかのレジャー……とにかく見てみたい。わくわくしすぎて、今から悶絶している。
六月二十二日、母校の埼玉栄高校で化粧まわしの贈呈式が行われた。そこで翔猿は恩師の山田道紀相撲部監督から「十両に上がったら後輩たちに米を差し入れることになっている。豪栄道は今も米を差し入れている」と言われ、五百キロの米の差し入れを約束した。山田監督によると、部員二十名の相撲部ではひと月に四百五十キロの米が必要なのだという。
埼玉栄高校出身の現役関取は、間違っているかもしれないが私が数えてみるに大関・豪栄道をトップに妙義龍や貴景勝、英乃海など七名。翔猿を加えれば八名。その卒業生たちが、番付によって贈る量に多い・少ないがあるのか、それとも等分で米を贈っているのか。
とりあえず七十キロずつとしたら七名で四百九十キロ。米の相場は五キロで二千円程度。それを数十キロとなれば、月に百万円以上の給与がある関取でも少々負担であるように思う。
一人身ならまだしも、子供の習い事の月謝よりも高額になる(関取であったものの陥落している場合には免除されるのかも気になるところだ)。翔猿は九月場所十両から落ちるが、矢後が新十両になる。矢後も五百キロの米を贈り、山田監督を笑顔にさせるのだろう。