OBからの恩返しの米によって育まれた有望な少年が、また角界入りする。大鵬の孫であり貴闘力の三男の納谷幸之介だ。卒業を待たず、十一月場所にも初土俵を踏む予定。スクールカラーのオレンジの化粧まわしをしめる時、彼は二代目大鵬なのか、それとも二代目貴闘力か。祖父に横綱琴櫻、父に琴ノ若を持つ琴鎌谷も同校の出身。納谷より二年先輩の彼のオレンジ化粧まわし姿はいつ見られるか。
幕下より仕切り直しとなった翔猿。一字ずつはライトだが、二つ続くと「飛んで驚かせてくれるのよね」と観る者からの重い期待を背負う。関取は、なにか絶対的な「これ」を持っていなければ務まらない。すばしっこさを誰も真似できない域まで磨き、十両・幕内をかき回す存在になればいい。御嶽海、北勝富士ら同学年達が、幕内上位で待っている。
※週刊ポスト2017年9月15日号