国内

改めて振り返ると突っ込みどころ満載だったハシケン会見

橋本元市議のあの会見はなんだったのか?

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、結局、詐欺罪で告発されることとなった橋本健元神戸市議のあの会見をプレイバック。

 * * *
 政務活動費の架空請求疑惑で議員辞職した橋本健元神戸市議が、全ての疑惑を認めた。会見では疑惑を完全否定しながらも、口裏合わせのメールが露見。領収書を発行した印刷仲介会社は関与を否定と、次々にボロが出てきた橋本氏。そこで改めて、会見の際に見え隠れしていた彼の嘘のサインについて細かくチェックしてみる。

「嘘の大半は会話でばれる」、社会心理学者のピーター・コレットがそう言っているように、もっとも嘘を見抜くサインとなるのが話し方や内容だ。橋本氏の場合、架空発注について聞かれると「否定させていただきます」と答えたものの、言い切る前に次に言葉を続けた。さらに否定するものの、今度は語尾がはっきりせず、ごにょごにょと言葉を濁してしまう。

 今井絵理子議員との不倫疑惑の際、「一線を越えていません」と汗だくで言い切ったのは、守りたい人がいたからだ。だが今回、守るべきは自分だけ。やはり、無意識では嘘をつくことにストレスを感じていたのだろう。明確に否定するはずが、語尾をはっきりさせず、言葉を濁してしまう。「〜と思う」という言い方も多く、説明が曖昧でぼやけた印象。嘘をつきながらも、嘘をつきたくないという無意識の葛藤が、こんな受け答えの中にも見えていた。

「おっしゃる通りでございます」「申し訳ございませんが」を枕詞のように使って答えることも多かった。頻繁に「ごめんなさい」と謝ってもいた。これらは、「あなたたちが疑いを持つのはもっともだけど、そんなことはありません」と疑念を打ち消したいがための言葉だ。

 また、不可解な領収書については、「2か所に払われていて領収書が1枚なのは解せない」と問われると、同じ質問を繰り返してつぶやき、視線を泳がながら、質問の意味がすぐには理解できず考えるような仕草を見せた。質問を繰り返す、難しくない質問なのに意味が理解できない素振りを見せるのも、嘘をついているサインといわれる。

 人の動作の中で一番信用できないものは言葉だと、動物行動学者のデズモンド・モリスも言うように、彼の言葉の端々にも嘘が見え隠れする。「領収書を発行した会社が架空会社では?」との疑惑には、実在すると否定。ところが、会社については「個人業者なのかわからない」と説明したのだ。領収書をまとめた2社のうち、どちらの印刷会社が主かと聞かれ、「どちらが主か存じ上げない」と返答。自分が足を運んで何度も発注したと主張したのに、どんな会社なのか、どちらが主なのかわからないというのはおかしな話だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン