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田母神俊雄氏「決断すれば日本の核保有までの時間は1年間」

高額な迎撃システムはコスパが悪いとの指摘も

 北朝鮮による核の脅威が増す中、これまで日本では“タブー視”されてきた議論が米国で噴出している。「日本核武装論」である。米政策研究機関『ブルッキングス研究所』の研究員が、さまざまなメディアで「北朝鮮が核放棄する見通しがない今、日韓の核武装を容認すべき」と主張するなど、あちこちから「日本の核武装論」が出てきているのだ。

 では、そもそも日本はあくまで製造能力だけで考えた場合、核兵器を持つことはできるのか。

 日本には、原子力発電所の運用に伴う余剰プルトニウムが約48トンあるとされる。これは核兵器の原材料となり、長崎に落ちた原爆と同等級のものが約6000発も製造できる量だという。元航空幕僚長の田母神俊雄氏が語る。

「日本が持つのは原子炉級プルトニウムであり、そのままでは核兵器になりません。核濃縮で純度93%以上に高めて兵器級プルトニウムにする必要があります。原発を持つ我が国は、この濃縮技術を保有しています。核濃縮のためにはその専用施設が必要ですが、この施設を造るのに期間は10か月程度。費用は数十億~数百億円程度で建設できます。施設ができれば濃縮は短時間で可能。日本政府が決断をすれば核兵器保有までの時間は1年間と言ってよいでしょう」

 ただし日本が核武装するということは、在日米軍に頼らず日本独自の防衛力を整備することを意味する。そこで考えなければならないのはコストだ。田母神氏が続ける。

「私は防衛費の積算などに携わった複数の自衛隊OBとともに費用を試算したことがあります。核弾頭とそれを装着するミサイル、空母や潜水艦など核武装に必要な費用は単年度あたり約1.5兆円の防衛費の増額で可能との結果が出ました。7年前の試算ですが、今も大きな変化はないと考えます」

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