ビジネス

進化する炊飯器 40時間後まで炊きたて感キープする製品も

炊飯器の進化でご飯がますます美味しくなっている(写真:AFLO)

 米の美味しさは炊き方で大きく変わる。炊飯器にこだわれば“大人好みの味”に仕上げることもできる。“お米の博士号”と言われる五ツ星お米マイスターの市野澤利明氏は「炊飯器選びで重要なのは内釜」だと指摘する。

「高温に耐えられる鉄釜などを内釜に使った炊飯器があります。高温で高い圧力をかけて一気に米の芯まで熱を通すことで炊きムラなく、米一粒一粒の旨味を引き出すことができます。

 特に『東北194号』のようなあっさりとした米は、無駄な粘り気がなく、さっぱりとした味わいに仕上がるはずです。高温タイプだと“おこげ”も作りやすいのがうれしいですね」

 たとえば大火力で加熱のムラをおさえる「超音速打込製法」を採用した『ふっくら御膳』(日立アプライアンス・実勢価格11万6000円、以下同)などが、“大人の味”を実現する炊飯器だという。

 美味しく炊くことはもちろん、今の炊飯器はより簡単により便利に進化している。ブランド米の増加を受け、銘柄ごとに炊き加減を調整できる便利な機能も登場した。パナソニックが6月に発売した『Wおどり炊き搭載シリーズ』(17万円前後)は、「銘柄炊き分けコンシェルジュ」機能を搭載。

 銘柄によって最適な吸水温度や時間、炊飯にかける熱量、温度、圧力があらかじめ設定されている。『あきたこまち』や『ふさこがね』、『ななつぼし』などの銘柄を含む50銘柄を特徴に合わせて炊き上げる。

 優れた保温機能をウリにする機種もある。9月に発売される『IHかまど炊飯器』(東芝、11万円)は真空技術を使うことで、ご飯の黄ばみや乾燥、酸化を抑え、最大40時間後でも、炊きたてに近い風味と食感がキープされるという。

 いずれも高機能ゆえ高額な炊飯器だが、新米の美味しさを十分引き出してくれるだろう。

※週刊ポスト2017年9月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン