ライフ

生物学者・福岡伸一氏が選ぶ文化系のための生命科学の6冊

生物学者の福岡伸一氏

 得意ではないと思い込んでいる分野の本については、なかなか手が伸びづらい。しかし、読まないと後悔する本が、この世には必ずある。生物学者の福岡伸一氏が選ぶ、文化系のための生命科学の本6冊を紹介する。

 * * *
 まずオススメしたいのが岩波の「岩波科学ライブラリー」。このシリーズ、科学読み物としてとても優れている。テーマの選び方と筆者の掘り出し方がすばらしいのだ。おそらく編集者がたいへんな目利きなのだろう。いずれもハンディで薄手。とっつきやすくスラスラ読める。

 たとえば、『ナメクジの言い分』(足立則夫著、岩波科学ライブラリー)。なよなよしたナメクジが、防御のために殻を持つように進化したのがカタツムリのように思えるが、そうではない。カタツムリが殻を脱ぎ捨てて出来たのがナメクジ。なぜこんな順序がわかるかといえば、ナメクジの中でまだ殻の痕跡を有しているものが存在するから。殻を作るにはたくさんカルシウムを摂取しなければならず、殻合成のためのエネルギーも多くいる。つまり持ち家は維持にコストがかかる。

 そこで、持ち家幻想から一歩踏み出したのがナメクジ。もちろん外敵に襲われたときのリスクは高まるが、身軽になった分、いいことも増えた。どこにでも自由に潜り込めるし、新しいエサも見つかった。そんなナメクジたちの率直な意見に耳を傾けてみよう。

 次に、先ごろ刊行された『昆虫の交尾は、味わい深い…。』(上村佳孝著、岩波科学ライブラリー)。機微な話題なのだが、生物学の真髄は細部に宿る。この季節、繋がって飛んでいるトンボを見かけることも多いが、よく見るとハートの形になっている! どちらがメスでどちらがオスかわかりますか? しかもなんであんな格好でシテいるのか。そこには深い理由があるのであーる。

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン