スポーツ

角居勝彦調教師 斤量の影響を受ける馬と受けづらい馬の特徴

角居調教師が斤量について語る

 秋の時期、2歳戦とわずかに残された3歳限定戦以外は、「3歳以上」の馬が同じレースで走る。その際のキャリア差を考慮して定められているのが“負担重量”だ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、斤量とその影響についてお届けする。

 * * *
 競馬予想の要素として、「右回りが得意」とか「前走は度外視」とか、いささか感覚的なものもあれば、馬体重や前走タイムなど、具体的な数字が出るものもあります。その具体的数字を比べて、「AはBよりも走る」とは簡単にはいかないのが競馬の難しいところだ。

 それらの数字の中で、明快に比較できるのが斤量です。負担重量というくらいだから、負担は軽いに越したことはない。重い斤量を気にしない馬もいることはいますが、「だからって重くしないでくれよ」などと口を尖らせるかもしれません。逆に結果が芳しくない場合、「58キロは厳しかった」などと陣営がコメントしますよね。重い斤量は凡走の原因に使われることも多いようです。

 馬の気持ちになってみましょう。斤量は騎手の体重だけでなく、鞍につける「重り」で調整します。たとえば2キロの負担増だとすると、鞍を背負った段階で「あれ? ちょっと重くない?」と分かる。でも、たぶん気にしていない。パドックでジョッキーが騎乗しても、重いとは感じない。調教では調教助手が乗ることも多いし、スピードを追求しないにしても70キロ近い斤量を背負って走っていますから。

 思うに、重い軽いというのは結果論の産物です。レースを走りきって、その消耗度で「やっぱり2キロ重いと、レースはキツいな」なんて馬は感じる。つまり走ってみなければ分からない。

 さらに日本の馬場は軽く走れるのが特徴で、斤量差の影響は比較的少ないのです(重馬場では軽い斤量のほうが有利ですが)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト