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2017.10.10 07:00  SAPIO

落合信彦氏 「アメリカはもはや世界の警察官にはなれない」

 シリア攻撃はその本気度を見せつけるためだけに行われたと見る向きは多い。シリアの国営通信社は、そのミサイル攻撃で市民9人が死亡し、うち4人は子供だったと報じた。

 駆け引きのためにミサイルをぶっ放す、それがトランプだ。ボビーは軍事行為が招く悲劇や痛みから目をそむけることなくきちんと正視し、そして正義のための決断を下した。そうしたボビーの精神を受け継ぐ者がいないアメリカは、もはや世界の警察官にはなれない。

 話をヴェトナム戦争に戻そう。ジョンソンが軍事的勝利だけを追っている以上、ヴェトナム問題の真の解決を図るにはボビー自身が大統領になるしかなかった。大統領選出馬を決意したボビーが最初に臨んだインディアナ州の予備選から私はボランティアとして参加したが、そこで兄に劣らぬ政治家としての覚悟を見た。

 インディアナ・キャンペーンが始まる1968年4月4日の夕方、前日にひと足先にインディアナポリス市入りしていたわれわれボランティアはボビーを迎えるため空港に行った。その時、われわれはまだ知らなかったが、最悪の事態がもち上がっていた。キング牧師がテネシー州のメンフィスで白人にライフルで撃ち殺されたのだ。

 インディアナポリス空港にボビーの乗った飛行機が到着した。タラップを降りてゲートに向かおうとしたボビーに、インディアナポリス警察署の署長が立ちはだかり、こう言った。

「セネター・ケネディ、あなたは命を狙われている。すでに二人のスナイパーがビルの屋上で見つかり私の部下が捕らえた。まだまだいる可能性がある。今日は町に入らない方がいい」

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