国内

大阪喫煙事情 灰皿減りポイ捨てが増えるジレンマの解決法は

外国人観光客も溢れる道頓堀商店街

 小池百合子・東京都知事が「希望の党」を立ち上げて衆議院の解散総選挙に臨むことで、国民の関心は都政よりも国政に集中してしまっているが、その陰で東京では懸案の政策が次々と決められている。そのひとつが受動喫煙問題だ。

 10月5日、都議会の最終日に可決・成立したのは、子どものいる自宅や自動車内での禁煙を努力義務に定めた「子どもを受動喫煙から守る条例」である。〈家庭のプライベート空間にまで行政が踏み込むことはいかがなものか〉と継続審査を求めた自民党の主張は受け入れられず、小池氏率いる「都民ファーストの会」を筆頭に、公明党、共産党の賛成多数で可決した。

 周知の通り、受動喫煙防止対策は国(厚労省)が飲食店などを含めた“屋内一律禁煙”を目指して法案化しようとしたが、飲食業界や与党内部からも慎重意見が噴出してまとまらず、先送りになっている。そこで、小池都知事が「国がやらないなら」と都独自のたばこ規制強化に乗り出した。その第一弾が今回の条例である。

 一方、西の都構想という看板政策を持つ「大阪維新の会」は、小池氏と同じく国政政党(日本維新の会)の代表も務める松井一郎・大阪府知事が希望の党との連携を打ち出した。

 総選挙後の政局がどうなるかはフタを開けるまで分からないが、この先、大阪の行政が東京と歩調を合わせるようになっても不思議ではない。では、受動喫煙問題についてはどうか。大阪の喫煙事情を現地で取材した。

「折り合いがつかなかったとはいえ、一度は国の方向性も示されましたし、東京都も子供に特化した条令をつくりました。そうした“気運”をみながら、大阪でもどういった議論や府民の声があがるのか、しっかりと見ていきたいと思います」

 なんとも玉虫色の方針を語るのは、大阪府で受動喫煙問題を扱う健康医療部保健医療室の担当者。それもそのはず。大阪では2013年に学校や官公庁など公共施設の全面禁煙を義務化し、分煙を一切認めない条例案を提出。飲食店は対象から外れたものの、あまりにも厳しい内容に反発が相次ぎ、条例を取り下げた経緯があるからだ。

 そもそも大阪の一方的なたばこ規制は、橋下(徹氏)府政時代からくすぶっていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン