ビジネス

ダイソンまで参入のEV スタートアップ企業の「本当の評価」

京大発ベンチャーGLMの高級EV「G4」(写真/AFP=時事)

 欧州各国や中国が電動化によるクルマの脱石油を続々と表明したことで、一気に盛り上がっているEV(電気自動車)ブーム。そのなかでも派手な話題を振りまいているのは異業種参入やベンチャー企業など、いわゆるスタートアッパーたちだ。

 日本ではサイクロン型掃除機で有名なイギリスの家電メーカー、ダイソンは9月、EVに参入することを表明した。

 ブルームバーグの報道によれば、2年半前からアストンマーティン、テスラなどからのヘッドハント組を含め、400人のエンジニアがEVの研究開発に従事してきたという。電力をたくさん蓄えることができ、耐久性も高いとされる次世代電池、電池全個体リチウム電池を使用。「スポーツカーでも低価格車でもない、現在のEVとは異なるクルマになる」とは、創業者ジェームズ・ダイソン氏の弁だ。

 ダイソンの参入は、大手自動車メーカー関係者にとっても何かと興味深いものに映っているようだ。

「これまでのEVとはまったく異なるものになるという話ですが、全固体リチウム電池だけがネタではない気がします。

 ダイソンといえば、超高回転型の直流モーターを効率的に精密制御できる技術を持つことで知られていますよね。我々を含め、世界の自動車メーカーは制御のしやすさから交流モーターを使ってきました。今でもEVにはそれが適していると思っていますが、直流のダイソンだけに、クルマの直流化という大胆な提案をしてくるなどということもあるのではないかと楽しみになってしまいます」

 数年前、EVの直流化はないだろうと筆者に語っていたEVエンジニアの一人はダイソン参入についてこう語った。

 高出力EVの動力システムは現在、交流がメインで、直流はゴルフカートやシニアカーなどに使われている程度だが、バッテリーはもともと直流であるため、パワーを出したり、ブレーキ時に発電した電気をバッテリーに戻したりする際、いちいちインバーターで交直流変換をしなければならず、損失の発生要因のひとつとなっていた。もしダイソンが全個体リチウム電池+直流で高出力EVを出してくるのであれば、それこそ技術テクにもユニークなものとして注目されるだろう。

 ダイソンばかりではない。スタートアッパーたちによるEVの提案は、雨後のたけのこの如き様相を呈している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン