「今回は3300坪のうち737坪分の売却ですが、それでも110億円。A氏は莫大な利益を手にすることになった」(同前)

 しかし、北朝鮮へ資金が流れる可能性があり得ることを理解しているのか。この外資系金融機関と建設予定のホテル関係者を取材したが、一様に、「ビジネスとして処理した。通常のプロジェクト案件と何ら変わらない」と語り、土地をめぐる過去の怨念や北朝鮮との関係は、「まったく気にならない」とのことだった。

 A氏に事情を聞くため、代表を務める会社に問い合わせたが、「本人と連絡が取れません」と事務員が対応するだけで、ウリ信組は「取引先の個別事案にかかわることなのでお答えできない」(総務部)と答えた。朝鮮総連からは期日までに回答はなかった。

 残りの2563坪については、区画を2つに分け、七条通沿いを商業ビルに、京都駅側を今回と同じ500室規模のホテルにし、運営を委託する方針だが、怨念の土地だけに、今も魑魅魍魎たちが蠢いているという。「北朝鮮との関連」も含め、駅前一等地の再生には、今後も紆余曲折がありそうだ。

※週刊ポスト2017年10月27日号

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