国内

神社本庁の不動産売買疑惑 内紛の本質は権力闘争

全国の神社関係者も困惑するばかり(写真は伊勢神宮)

 安倍晋三首相が会長を務める「神道政治連盟」や、改憲勢力の後ろ盾となっている「日本会議」を支援するなど、日本の政財界と密接なかかわりを持つ神社本庁。現在、この本庁で前代未聞の内紛騒動が起きている。不動産売買を巡る不正疑惑を糾弾する怪文書が飛び交い、懲戒解雇された内部告発者は、本庁を相手に提訴。ドロ沼の様相を呈した騒動に、本庁からついに反撃の狼煙が上がった。

「事実と乖離した報道が相次いでいるため、これ以上の沈黙は組織にとってもマイナスだと判断しました。一体何が起きているのか、今からその内情を全て明かしましょう」

 神妙な表情でそう話すのは、全国8万社の神社を包括する宗教法人・神社本庁の現役幹部A氏。目下、内紛騒動で大揺れの本庁だが、裏には知られざる“暗闘”があるのだという。

 発端は、2015年11月、神社本庁が神奈川県川崎市内にある職員宿舎を不動産会社Xに売却したことだった。

「築30年を超え、老朽化と維持管理費の高騰が売却の理由とされています。だが、宿舎は1億8000万円でX社に売却された即日、2億1000万円で別の不動産会社に転売されました。その後、さらに別の不動産会社に3億円で転売されている。

 老朽化で売却した物件が3倍近い値段につり上がったことや、X社の社長が本庁の幹部と昵懇だったことから、『本庁の上層部が不動産会社と癒着し、不当に安い値段で売却して見返りを受けていたのではないか』という疑惑が噴出しました」(全国紙記者)

 昨年春先、神社本庁内でこの疑惑を指摘する怪文書が流れ、同時に本庁総合研究部長の稲貴夫氏(57才)と教化広報部長の瀬尾芳也氏(57才)が告発文書を上司に提出。

『週刊文春』や『週刊ダイヤモンド』をはじめ、複数のメディアでも同疑惑が報じられ、本庁は副総長で熱田神宮宮司のB氏の下に調査委員会を発足させたが、第三者委員会を交えた調査結果はシロ。

「そして8月、『組織への背任行為があった』として稲氏は解雇、瀬尾氏は降格の懲戒処分が下りました」(前出・全国紙記者)

 これに対し、処分を不当とする2人は、10月17日、東京地裁に処分の無効確認を求めて提訴。「神社本庁の再生を願って提訴に踏み切った」と稲氏は会見で語り、内紛が表面化した。一連の騒動について、「真相はまったく別にある」と反論するのが、冒頭のA氏である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン