国内

ノーベル賞・益川敏英氏 物理学者の忖度しないイチャモン節

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 理論物理学者の益川敏英氏といえば、ノーベル賞受賞の喜びを取材にきた記者やカメラを前にして、万歳のポーズをとりながら「わぁ~、うれしい、なんてやらないよ」と笑顔で応対し、へそ曲がりな対応を繰り返した。その一方で、同時に受賞した南部陽一郎氏について「南部先生にとっていただいたことが一番うれしい」と涙ながらに話すなど、愛すべき人柄も伝わった。その益川氏と対談した、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、本物の科学者について考えた。

 * * *
 2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英先生と先月、対談した。医師らが集まる会が主催した市民公開講座で、「今をどう生きる──子や孫が安心して暮らせる社会をどう残すか」というテーマで語り合った。

 ノーベル賞受賞の連絡が入ったとき、「たいしてうれしくない」「科学をやっているのであって、ノーベル賞を目標にやってきたのではない」と言い切った益川先生。

 骨太で、ひとクセある益川節が、対談でも炸裂。会場からはひっきりなしに笑いが起こった。ぼくもすっかり、その人柄に惚れてしまった。

 益川先生は、「いちゃもんの益川」という異名をもつ。名古屋大学の坂田昌一研究室で研究者生活をスタートさせたのだが、そこではみんな「二つ名」を持っていた。

 日本を代表する物理学者の坂田先生は、「屁理屈の坂田」を自称。議論好きだった益川先生は「いちゃもんの益川」と名乗った。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン