「過去のFA移籍を検証しても、安定して好成績を残した選手はほとんどいない。先発投手だと西武で113勝(13年)、ダイエーで49勝(5年)、巨人で53勝(7年)の工藤公康がほぼ唯一の例。打者でも、移籍先で1000本以上打ったのは金本知憲(広島→阪神)、稲葉篤紀(ヤクルト→日本ハム)、谷繁元信(横浜→中日)、内川聖一(横浜→ソフトバンク)、和田一浩(西武→中日)の5人だけ」
広尾氏の算出した今季の“費用対効果”をみると、FA移籍組のコストパフォーマンスの悪さが際立つ。成瀬善久(32、ロッテ→ヤクルト、年俸1億4400万円、1アウトあたり年俸は288万円)や鶴岡慎也(36、日本ハム→ソフトバンク、年俸7600万円、1塁打当たり年俸が422万円)。杉内俊哉(37、ソフトバンク→巨人)、片岡治大(34、西武→巨人=今季で引退)に至っては今季一軍出場がなく、“算出不能”という有り様だった。
FA市場は“高い買い物”になりがちなのだ。
※週刊ポスト2017年11月24日号