いざ交際が始まると、熱烈な愛の言葉を囁いていたことが、法廷で公開された携帯メールの文面から見てとれる。交際相手の日置稔さんへ送っていたメッセージは、以下のようなものだ。
〈楽しい2日間をありがとう。私のなかの稔への思いがつのる2日間でした。大好きな稔へ。恋する妻より〉
これと同様に、筧勇夫さんの場合は、出会ってから2か月後に、次のようなメッセージを送っている。
〈会えば会うほどあなたのことが好きになります。まじめで正直で思いやりがあり、物事をちゃんとわかっていて、すべて信頼できる人です。ふたりで楽しい新婚生活をしましょう〉
文章だけではない。実際に彼女に出会った男性たちが、ことごとく“落とされて”いたことが証人尋問で明らかにされた。
2012年1月に千佐子と知り合い、交際した奈良県の75歳の男性が検察側証人として出廷した際には、かなりきわどい質問が飛び出している。検察官による「肉体関係は?」との問いかけに、男性はこう答えた。
「(デート)4回目にありました。ホテルに行きました。そういうことが2回ありました」
この男性との交際は、千佐子から別れを切り出し、2~3か月で終わったそうだが、彼に未練が残っていたことが証言から窺える。
「悪くないなと思ったので、そのまま前に進んでいければいいなと思っていました」