ライフ

「がん家系」に属するかどうか、判別する3つのポイント

唾液を垂らすだけでリスクがわかる遺伝子検査キット(写真:共同通信社)

 医学の進歩で遺伝子分野の研究が進み、病気は「遺伝」が原因となるのか、それとも生活習慣などの「環境」が引き起こすのかという課題でも研究が進んでいる。

 最も気になるのは、日本人の死因トップである「がん」と遺伝の関係だ。日本人はよく「がん家系」という言葉を使うが、実際にはどれだけ遺伝の影響があるのか。国立がん研究センター中央病院遺伝子診療部門長の吉田輝彦氏が解説する。

「そもそもがんになる主な原因は、老化によりDNAに傷がつく加齢要因と、親から原因遺伝子の変異を受け継ぐ遺伝要因などです。がんになる遺伝子変異を親から受け継いでいると生活習慣や年齢にかかわらず、がんを発症することがあります。全患者のうち、こうした遺伝要因でがんになるのは5%程度と言われています」

 わずか5%、とあなどってはいけない。注意すべきは遺伝しやすいがんと、そうではないがんがあることだ。

「遺伝しやすいがんの代表は、全大腸がんの約5%を占める『遺伝性大腸がん』です。『MSH2』や『MLH1』などの遺伝子の変異を親から受け継いでいると、どれほど生活環境がよくて健康でも、80歳までに82%の人が大腸がんを患うという米国のデータがあります。同様に、乳がんや前立腺がんなども遺伝性のがんとしてよく知られている」(吉田氏)

 とくに前立腺がんは遺伝要因が強いと言われる。父親が前立腺がんだった場合、子の発症リスクは1.65~3.77倍、兄弟の場合は2.57~3倍あり、家族の既往歴は前立腺がんの重要なリスクファクターとなっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン