前立腺がんは初期段階なら自覚症状がほとんどなく、がん細胞が膀胱や尿道を圧迫して排尿に障害が出るなど自覚症状が出た段階では、約50%の人がすでに骨やリンパ節に転移してしまっていることが多い。転移前のステージ3なら5年生存率は90%以上と言われているので、家族が前立腺がんを罹患しているなら、早めに検査を受けることが推奨される。
逆に遺伝リスクが少ないとされるがんの代表は、肺がんと胃がん、肝がんだ。肺がんは喫煙、胃がんはピロリ菌感染、肝がんはアルコールやウイルス感染といった環境要因の影響が大きいとされる。
そこで気になるのは、自分が遺伝しやすい「がん家系」に属するかどうかだろう。それを判別するには主に「3つのポイント」がある。
「父方もしくは母方の血縁者において、【1】どちらかの血縁者に集中して同じ種類のがんが多発する。【2】若年でがんを発症した人がいる。【3】男性の乳がんなど、めずらしいがんを発症した人がいる。以上のいずれかが当てはまると、がん家系が疑われます」(吉田氏)
※週刊ポスト2017年12月1日号