「まだ親が病気した歳ではないから大丈夫」と安心していると、思わぬ落とし穴があるかもしれない。
現在、遺伝子解析の進化によって医療の常識は変わりつつある。慶応義塾大学病院・腫瘍センター客員教授の西原広史氏はこう語る。
「患者の遺伝子変異を正確に把握できれば、ピンポイントで効果的な治療法を提案できます。自分の病気を理解して最適な治療を受けるには、“まず遺伝子を調べる”ことが診療や治療の前提になりつつある。
遺伝子解析により一人一人の事情に沿ったオーダーメイド医療が進めば、より大きな医療効果が見込めます。“究極の個人情報”である遺伝子の取り扱いには倫理的な問題もありますが、それをクリアすれば大きな可能性が広がります」
今は一般人も手軽に遺伝子検査を受けられる。DeNAライフサイエンスの検査キット「MYCODE」(税別2万9800円)は唾液を郵送するだけで遺伝子の統計データと比較して、どれだけ病気のリスクがあるかを280項目にわたってチェックできるのだ。
他にも各社が数万円程度の検査キットを提供している。まずは自分の遺伝要素を知ることから始めてみよう。
※週刊ポスト2017年12月1日号