芸能

わろてんか 女中役・徳永えりの演技は「絶妙なさじ加減」評

女優として注目を集める徳永えり(公式HPより)

 毎回、20%前後の高視聴率を記録しているNHK連続テレビ小説『わろてんか』。ヒロイン役の葵わかなだけではなく、松坂桃李、高橋一生、濱田岳ら注目俳優が出演しているが、コラムニストのペリー荻野さんが「陰の功労者」と注目するのは女中・おトキを演じる徳永えりだ。ペリーさんが徳永の演技について解説する。

 * * *
 そんなわけで、『わろてんか』は、寄席経営に乗り出したてん(葵わかな)と藤吉(松阪桃李)の祝言、第一子誕生、姑北村啄子(鈴木京香)の渡米とめまぐるしく物語が進んでいる。事業を成功させてキラキラする伊能(高橋一生)やここ一番で助けに来る風太(濱田岳)など、これまでヒロインを思う男たちに注目が集まりがちだったが、ちょっと待て。この物語の陰の功労者にして、演技派はおトキ(徳永えり)ではなかったか?

 もともとてんの実家藤岡屋で、てん付の女中だったトキは、よく気がつくしっかり者。てんが藤吉の許嫁候補楓(岡本玲)と、古米や外米を売る「商い勝負」をすることになった際にも、トキの言葉をヒントにてんは古米で団子、外米でカレー作りを顧客に提案。見事、勝利したのだった。そしてトキは、「おてんさまのため」と藤岡屋を辞めて、寄席のお茶子に。ここでも「お客の座布団を一回り小さく」とか「塩辛い物を売って飲み物の売り上げ向上」というアイディアを出す。やるね、おトキ!
 
 おトキがいいのは、奉公人として控えるところは控えながら卑屈にはならず、自分の意見を持って明るさがあること。そのさじ加減が、徳永えりはとてもうまい。

 実は今シーズン、NHKには、もうひとりの演技派「お嬢様付き女中」がいる。BS時代劇『赤ひげ』のお杉(大後寿々花)だ。お杉の仕事は、頑固医者の赤ひげ(船越英一郎)が代表を務める小石川養生所に特別に建てられた格子付の部屋で暮らすお嬢様おゆみの世話をすること。心を病むおゆみは、店の男をふたりも殺し、養生所の新米医者保本(中村蒼)も殺しかけた深刻な状況なのだ。おゆみの実家から世話のすべてを任されたお杉は、実母が亡くなった日もひたすらおゆみの世話をする。

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン