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【法律相談】酒場で口論 肩に手を置いたら傷害罪になる?

どの時点で傷害罪が成立するのか

 酒を飲んで話が弾むのは大いに結構だが、度が過ぎてケンカになることは少なくない。殴るのは問題外だが、肩に手を置いたぐらいでも傷害罪に問われることはあるのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 年末年始の飲み会が多くなる、この時期に心配事があります。私は酒場での口論が好きで、酔うと相手が誰であれ、相手の肩に手を置き、話をしてしまいます。胸倉をつかむと傷害罪になるそうですが、友人の話によれば手を置いた時点で、相手が恐怖を感じたら傷害罪になるというのです。本当でしょうか。

【回答】
 傷害罪は「人の身体を傷害した」場合に成立します。胸倉をつかんだり、肩に手を置いてもケガはしないので、傷害罪にはなりません。ご質問は暴行罪の心配であろうかと思います。刑法208条は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と定めています。

 暴行とは、有形力の不法な行使です。殴ったり、投げ飛ばしたり、押し倒したりするのが典型的な暴行です。相撲は有形力の行使ですが、不法ではないので暴行ではありません。友人の冗談に思わず、肩を叩くのも有形力の行使ですが、不法な行使とはいえず、暴行になりません。

 ただし、程度を超え、客観的に攻撃的になっていると判断されたら危険です。また、暴行は相手の体に向けられた有形力の行使ですが、必ずしも相手に触れる必要はなく、至近距離から大音響を出し、フラフラにさせたりすれば暴行となります。

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