芸能

真矢ミキ「息子と聞くだけで涙が…」役と自身の境界線を語る

役作りについて語る真矢ミキ

 2015年3月から情報番組『ビビット』(TBS系)のMCを担当している元・宝塚歌劇団花組トップスターの真矢ミキ。役と自身の境界線を語った。

 * * *
 ドラマの役を引きずっている…そんな日は、我が家の“こもり部屋”に引きこもって、台本以外の本を読んだりして気持ちをリセットする。4畳半もない狭い部屋の空間だけど、私の密かな集中できる場所だ。

 今主演しているドラマ『さくらの親子丼』(フジテレビ系毎週土曜23時40分~)では、息子を失った母親役を演じている。息子を亡くすということはどういうことか、様々な資料や本を読む…自分の過去の経験や感情も活かしたりしての総動員で役作り。

 なので最近では、街中で高校生くらいの男の子をみかけると、こんな子が「ただいまー」って帰ってきていたのだ…なんて騒がしく愛おしい日常だったのだろう――なんて想いを巡らせながら歩いている。

 撮影時間が長くなる週末などは、ほとんど役で生きている時間の方が本来の自分の時間より長くなり、“息子”という言葉を聞くだけで、押し込んでいた感情が決壊し、たまらなく涙がでてくる。実際は100分の1にも、1000分の1にも満たないかもしれない想像であり虚構の世界なのだけど、こみ上げてくる感情に嘘は微塵もない気もする。不思議だ。

 本来の自分の人生から抜け出し、様々な人の人生に入ってみる…、なんてあり得ない、そして図々しい職なのだろう…と頭で理解しつつも、台本を手にすれば、役と共に悩み、考え、喜び、成長していく実感がある。人の気持ちが知りたい、理解したいという思いは、この職の醍醐味である前に、人として着目したい点だ。

 撮影が終わって家につくまでが、私が私に帰っていく時。車でドアトゥドアの時もあるけれど、極力世間に触れながら帰るようにしている。交差点で立ち止まっている人の群れに入り、電車に乗って流れる夕空を眺めたりする時間が少しずつ少しずつ自分に帰してくれる。たまに地下鉄の窓ガラスに映る、あまりに疲れきった我が顔は、ショック療法とでも言いましょうか? …最短で我に返れたり(苦笑)。

 そんなごく普通のひと時が、九十九さくら(役)と私自身の境界線となってくれている。

『さくらの親子丼』は、家族や親子の関係を描いた社会派人情ドラマ。舞台の中心は“家の中”というのがとても新鮮だ。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン