国内

角栄が気を使った東大卒のエリート集団“官僚”の操縦術

昭和史に残る宰相の人心掌握術は(写真:時事通信フォト)

 衆院選での大車輪の活躍を機に、政界の中心人物に躍り出た感のある小泉進次郎氏。その勇往邁進ぶりは昭和を駆け抜けたあの田中角栄の黎明期を思わせるものがある。出自も風貌も大きく異なる2人が、なぜ重なって見えるのか。(文中一部敬称略)

 政界でのし上がる条件は、当時も今も、官僚組織から「神輿」として担がれるかどうかにかかっている。

 霞が関には将来を見込んだ政治家に若手官僚を貼り付けて政策を指南し、手とり足とり面倒をみて出世させるシステムがあるからだ。

 角栄の周囲には、大蔵省(現財務省)、通産省(現経産省)などの気鋭の官僚が集まり、ブレーンとなって「日本列島改造論」をはじめとする田中政権の政策を練り上げていった。現在の自民党の中堅若手の中で“官僚が寄ってくる政治家”は進次郎くらいだ。

 本誌・週刊ポストは財務省と経産省が競い合うように進次郎を囲む勉強会を開き、政策から選挙応援演説の内容、立ち居振る舞いまで指導していることを報じた(11月10日号)。当選4回で霞が関の“総理養成講座”を受ける存在は他にはいない。

 表面的にはこれも「角栄の道」と同じに見える。だが、政界サラブレッドの進次郎と違って、高等小学校卒業の角栄が最も苦労し、気を使ったのが、官僚という東大卒のエリート集団の操縦術だった。

 角栄の時代は官僚全盛期。ヒラ議員は相手にされない。そこで官僚の入省年次から、家族構成、閨閥まで暗記し、夫人の誕生日には花を贈る気配りを見せた。派閥の子分だった渡部恒三は「東大法学部の同窓会事務局長みたいだ、と言ったら角さんにひどくどやされた」と本誌に述懐した。角栄が「人たらし」と呼ばれた所以だ。

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン