「うちの学校でも、手のつけられない不良生徒が先生の言うことを聞かず、始業式の最中にずっと騒いでいたんです。見かねた先生が胸ぐらをつかんで叱ったのですが、それを知った保護者から批判が寄せられたそうで、後から、その先生は『あの行為は体罰に違いなく、あってはならないことだった』と全校生徒の前で謝罪しました。先生が全員の前で謝るくらい、やっぱり体罰はいけないことなのだと思いました」

 先生だけでなく、親たちも子供に体罰をすることは少なくなった。都内在住の60代女性はこう語る。

「私が子供の頃は、先生だけでなく父も母も厳格でした。とくに礼儀や挨拶は厳しく指導され、言葉遣いが悪いとすぐに素手で叩かれました。今のお母さんたちは口で注意することはしても、手を上げることはまずありませんよね。私の娘もそんな母親のひとりです。孫が悪さをしても、手を上げるどころか、叱りもしない。そのせいで孫は『ごめんなさい』と言えない。それどころか、私が孫を注意すると娘に『お母さん、やめて』と怒られる。時代が変わったのだなあ、とつくづく思います」

 親が子供に手を上げると周囲から虐待を疑われてしまうことも理由の1つだろう。

 2016年6月に北海道の山中で、人や車に向かって小石を投げた7才男児が父親に置き去りにされ、100人以上が捜索した末に自衛隊の施設内で発見された。この「北海道置き去り事件」でも、「しつけの範囲を超えている」「児童虐待だ」と議論百出となり、父親が大バッシングを浴びた。

※女性セブン2018年1月4・11日号

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