国内

天皇にとって1年のうちで最も忙しい日、元日の過ごし方

2017年の新年祝賀の儀(時事通信フォト)

 天皇と正月といえば、1月2日、皇居の長和殿ベランダに天皇・皇后はじめ皇族方が勢揃いする「新年一般参賀」が印象深い。日本国旗を振る数万人の国民に対し、天皇が微笑みながら手を振って応えている光景がお馴染みだが、その笑顔の裏には相当な疲労が蓄積されているはずだ。

 なぜなら、その前日の元日は、天皇にとって“1年のうちで最も忙しい日”だからである。

 初日の出にはまだ早い早朝5時半、天皇の元日は始まる。伊勢神宮をはじめ四方の神々を遥拝(ようはい)する宮中祭祀「四方拝」に臨むのだ。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が解説する。

「四方拝は宮中の神嘉殿の前庭に敷かれた畳の上で行なわれます。最初に皇室の祖先神が祀られている伊勢神宮の方向へ、それから東、南、西、北の順番で四方の神々に遥拝していきます。遥拝の作法は、まず正座の姿勢から立ち上がり正座に戻るという動作を2回繰り返す。正座の姿勢のまま深いお辞儀を1回挟んで、再び同じ動作を2回繰り返します。このようにして陛下は国家国民の安寧と五穀豊穣を神々に祈られているのです」

 四方拝の前には身を清める「潔斎(かかり湯で心身を清める)」という儀式もある。それから天皇しか身につけることのできない「黄櫨染御袍」という重い装束に着替え、宮中の神嘉殿に移動する。

「準備時間を考えれば、陛下は午前4時には起床されているでしょう。寒風吹きすさぶ屋外でコートを羽織ることもなく儀式を行なうわけですから、ご負担は相当なものです。ご高齢が考慮され、近年は御所のベランダにてモーニングコート姿で行なわれるようになりましたが、ご負担が大きいことに変わりはありません」(同前)

 神道学者の高森明勅氏によれば、四方拝は1000年以上の歴史があるという。

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン