そんな芸人のネタを俳優が挑んだり、コラボするようになった出来事といえば、一昨年の『笑ってはいけない科学博士24時!』(日本テレビ系)での斎藤工、原田龍二、先ほど挙げた西岡徳馬の熱演だろう。
斎藤はサンシャイン池崎を完コピし、本家を超える絶叫ぶりで圧倒。原田もアキラ100%と禁断の裸芸でコラボ。西岡も吉本新喜劇の大人気ギャグ「乳首ドリル」を熱演。それぞれ再び脚光を浴びた理由は、ふだん演技している場面しか見られない俳優たちが、芸人のネタをやることによって親近感が湧き、好感度も上昇したからであろう。さらには彼らの活躍が、芸人のネタにタレントが挑む門戸をより開いたと言える。
◆さまざまに広がるコラボ
さらにこのコラボ現象は、かつて一世を風靡した芸人のネタをもよみがえらせつつある。定期的に放送されている単発のお笑い番組『UWASAのネタ』(日本テレビ系)では、水ト麻美アナウンサーが、「なんでだろう」でおなじみのテツandトモとコラボしたり、自虐ネタを物悲しげに言う芸人ヒロシとコラボ。彼を意識した黒スーツ姿で「水トです……痩せられるほどの摂取カロリーじゃありません!」などと言い放ち、爆笑を誘っていた。
また、芸人がネタを書き、それを俳優が演じると言う新機軸のお笑い番組『笑×演』(わらえん、テレビ朝日系)も昨年からスタートし、好評を博している。このようにさまざまに変わりゆくお笑いの方程式。今後はどんな意外なコラボが見られるのだろうか、楽しみに待ちたいところだ。(芸能ライター・飯山みつる)