そもそも日韓の緊迫化と南北の接近が同時に起きたことも偶然とは思えない。2017年5月の大統領選の際、日韓合意の破棄を主張した元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は親北団体として知られ、代表の夫と妹が北のスパイ事件への関与を疑われ有罪判決を受けた過去がある。
慰安婦を巡って日韓が仲違いすれば、制裁を課す近隣国の足並みが乱れることにつながり、北朝鮮にとって都合がいいことは確かだ。
「北側の思惑通りに文氏が動いてしまっている現在の状況は、平昌五輪ならぬ、“平壌五輪”とでも呼びたくなる。肝心の安全保障問題で何一つ譲歩を引き出していないのに、あたかも融和ムードが解決につながるかのように勘違いしている」(ジャーナリストの室谷克実氏)
※週刊ポスト2018年2月2日号