◆本田が生きたい世界

 相談解決バラエティー的な『KEISUKE HONDA CAFE SURVIVE』で、唯一本田が解決側に回ったのが5話目。対談相手は、ゲストで唯一年下であり、個人的に親交のある堀江裕介。「尊敬している人は、坂本龍馬、白洲次郎、本田圭佑です」と自己紹介。そこで炸裂した本田節、企業人のあり方を説く。

人間をつくれる人が上
会社をのこせる人が中
個人の財を成す人は下

 続けて、

「僕は正義感が異常に強いところがある、いつも考えているのは戦争がどうすればなくなるかとか……」
「『バカだなぁ』と言われてきたし、今後も言われ続けなアカン!」

 とマジ顔で名言連発。最終話で神回、よく知る後輩だからこそ漏れたフレーズ、本田の舌も回る! 回る!

 全話鑑賞後、『KEISUKE HONDA CAFE SURVIVE』は本田版『カンブリア宮殿』だと気づく。一流同士の対談、過剰なナレーションと似ている点も多い。そういえば、『カンブリア宮殿』司会者・村上龍と元エース・中田の親交は、よく知られた話。共著『文体とパスの精度』では、「村上は小説、中田はサッカー。圧倒的に優れた能力を持てば、世間から自由でいられる」と話していたっけ。

 しかし、番組を見る限り、本田は中田よりも多分な大物で。”世間から自由”よりも世界改革を目指す。「自分が生きたい世界に変えたい」と語り、生まれながらの指導者を体現。言葉は使い手に依存する、本田が言うからには妄言ではない。どこか実現してしまいそうな怖さがある。

 本田世界はゴリゴリの体育会系&実力社会。僕からすれば、同世代が指導者という接点はあるものの共鳴するところは0.01mm。それは『サガミオリジナルのコンドーム』よりも薄いシンパシー。文系の僕には間違いなく生きづらいだろう『MAD MAX 怒りのデスロード』的な本田ワールド。本田のワールドカップでの活躍は期待したいが、本田が仕切るワールドはごめんだ。

 欅坂46の『不協和音』の平手友梨奈よろしく、「僕は嫌だ!」と叫びたくなった。

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