売れ筋カテゴリーで勝負をかける以上、ヒット商品と真っ向から対決せざるを得ない宿命を負うことになったエクリプスクロス。これを成功させられるかどうかは、三菱のSUV作りの哲学に共鳴してもらえるかどうかにかかっていると言える。
三菱はリコール隠し、燃費偽装などの不祥事を、通常では考えられないほど立て続けに起こしてしまったが、それが災いして顧客とのコミュニケーション力が低下してしまっている。自己主張をしないのだ。が、大事なのはやるべきことをちゃんとやることであって、控えめな態度を取ることではない。
リコール問題後、沈黙を守り続けても三菱のイメージは回復せず、一方で燃費偽装を止められなかったことを見れば、長期にわたってしおらしい態度を取ることが何の意味もなさなかったことは明らかだ。
単にクルマを出しただけではスタートアップにはならない。三菱のクルマづくりに対する姿勢や熱意を少しでも多くの人にいいと思ってもらうための取り組みができるかどうか。それができれば、C-HRやヴェゼルなど強力なライバルに対し、販売台数では勝負にならずともいい存在感を示せるようになることだろう。