今回は“3度目の密約”ということになる。政治ジャーナリスト・藤本順一氏の指摘だ。
「岸田氏は禅譲を期待しながらも、世論調査ではライバルの石破氏に引き離され、待っている間に河野太郎、小泉進次郎という次世代に先を越され自分の出番がなくなるのではないかと不安にかられている。それならば総裁選に出馬し、勝てないまでもポスト安倍の存在感を示しておきたい。
一方、禅譲をエサに岸田派の協力を得て3選を確実にしたい安倍首相も岸田氏の心変わりが心配になった。そこでひれ酒会談で政権禅譲の密約を念押ししてみせ、岸田氏の腹の内を探ったのではないでしょうか」
自民党の歴史を振り返れば、禅譲密約は何度も噂されてきたが、「権力側がうまく利用するだけで、履行されないのがお決まりのパターン」(ベテラン政治記者)というのが定説。果たして、岸田氏は安倍首相の「次は君」という言葉を信じて“毒まんじゅう”を食べたのか。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号