まず、日本でもっともマンションの資産価値が安定していると私が考えている東京都港区の表参道付近。このあたりで築10年前後の中古マンションを購入するとなると、目安は坪単価650万円。平米単価にすると約197万円。このあたりはあまり広い物件は少ないので、40~70平方メートルまでが主流となる。
このあたりで賃貸マンションを借りようとすると、目安は平米単価5500円くらいだろうか。安いのを探せば5000円未満でもあるが、いちおう0.55万円としよう。60平方メートルのマンションを借りると家賃は33万円ということになる。そして、その物件を買うとすれば約358か月分、ということになる。ほぼ30年分。
その間、所有していれば固定資産税や管理費が発生する。賃貸なら2年ごとに約1か月分の更新料を払うのだろうが、ここでは単純化するために、この両者は相殺ということにしておく。
実は、購入価格が家賃の30年分を超えると、借入金利が0.7%、35年返済想定で年間のローン返済額+維持費と家賃がほとんど変わらなくなる。金利が上がれば、買った方が高くなるはずだ。だから今、表参道に住むなら購入よりも賃貸を選ぶべきだ。
実は、同じ港区内で表参道よりも家賃相場の安いエリアがある。それは赤坂だ。
赤坂では平米単価3600円程度でまあまあのマンションが借りられる。そして、赤坂エリアの築10年程度の中古マンションは坪単価500万円くらいが目安。平米単価は約151万円。同様に算出すると419か月分。約35年ということになる。
平米単価3600円というと、50平方メートルのマンションを借りると18万円。30平方メートルだと10万8000円。20代、30代のサラリーマンが払えないレベルではない。
「え、赤坂にそういう家賃で住めるの?」
意外に思われるかもしれないが、赤坂はマンション供給がわりあい多いエリアで、築30年を超えるようなマンションは、ビックリするほど安く借りられる。しかし、坪単価500万円のマンションはちょっと買えないだろう。30平方メートルで4530万円になる。買えないけれど、借りてなら住めるのが赤坂なのだ。