スポーツ

カーリングの難問 日本選抜でチームを作らない本当の理由

メンバーの仲が良さそうなのも見ていて楽しい(撮影:竹田氏)

 カーリングの日本代表チームは、男子が「SC軽井沢クラブ」、女子が「ロコ・ソラーレ北見」。国内で勝ち抜いたチームが丸ごとオリンピックに出場するかたちだ。なぜ、各チームから優秀な選手を選ぶ「選抜」にしないのか。「カーリングはチームワークが大事だから」というだけでは片付けられない“本当の理由”を、カーリング取材歴9年で、今回も平昌五輪の取材を続けている竹田聡一郎氏が解説する。

 * * *
 平昌五輪も後半戦に突入し、カーリングもラウンドロビン(総当たり予選リーグ)はクライマックスだ。女子代表のロコ・ソラーレ北見(以下LS北見)は決勝トーナメント進出も見えてきた。男子日本代表のSC軽井沢クラブは2連勝が求められる正念場だ。

 長年、カーリングを取材していると素朴な疑問をぶつけられることが多いのだが、最も説明が大変なのが「なぜ単独チームで代表を出すのか。選抜制にしないのか」という問いだ。

「カーリングはコミュニケーションが肝のスポーツなので各チームからピックアップした選手同士を組ませても、即興で結果は出にくい。何十試合も、あるいは数シーズン同じメンバーで過ごしてチームビルディングをしなくてはならない」

 そう答えると、鋭い人は「じゃあ4年計画を組めばいいのでは」と返してくる。そうなると日本カーリング界の現状を踏まえた順序立てた説明を要するのだ。

 今回の平昌五輪カーリング代表チームは、男女ともに地域名がついたスポーツクラブ、あるいはクラブチームだ。日本カーリング協会は2002年ソルトレーク五輪以来、いわゆる選抜チームではなく国内のトライアルで勝利した単独チームを五輪に送り出している。

 例えば、サッカーなら昨季のJリーグを制した川崎フロンターレがロシアW杯に出場し、野球なら日本シリーズを制したソフトバンクホークスがそのままWBCの日本代表になる、といったイメージ。カーリングではそうしたかたちが通例だ。

 そんな中、なぜ選抜制に踏み切れないかといえば(以下はあくまで個人の感想です)、理由は大きく分けて3つある。

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン