他方、独立系・小規模チェーンのホテルで横断的に利用できるカードがある。Aカードホテルシステム発行の「Aカード」で、全国約480店舗の巨大ネットワークを誇る。
Aカードは100円ごとに10ポイント(1ポイント1円相当)付与され、ポイントはキャッシュバック可能。入会金や年会費は無料だ。いつものチェーンではなく、時には初めて泊まるご当地ホテルというケースもあるだろう。そんな時のためにも1枚は備えておきたいカードだ。多彩な会員ホテル一覧からのホテルセレクトも魅力。スマイルホテルブランドを中心に、各地で高名な施設も名を連ねる。ご当地ホテルにも強いAカードといえる。
また、小規模チェーンブランドや運営会社による独自の会員プログラムにも注目したい。シティホテルからビジネスホテル、リゾートホテルなど全国で9店舗運営するグランビスタホテル&リゾートでは、「グランビレッジ」という会員プログラムを設定している。
ポイントの付与はもちろんであるが、外資系チェーンのように会員ステイタスも全面に打ち出す。獲得ポイントに応じてシルバー/ゴールド/プラチナとステイタスがアップ。ポイント付与率がそれぞれ1%/3%/5%となる。シティからビジネス、リゾートと多様なカテゴリーにして共通のカードが利用できるのは嬉しい。
同社では3月1日に「ホテルインターゲート京都 四条新町」を開業する。ハイクラスとはいえ宿泊主体型ホテルにして、外資系ホテルのようにラウンジにて時間帯に応じ、アルコールや夜食なども提供するという。会員はもちろんであるが、非会員も含め宿泊者全員を対象に無料というから驚きだ。こうした既存の枠組みを超えるホテルが、リピーターを獲得するためにもやはり会員プログラムは有用だろう。
そもそも会員プログラムには顧客の囲い込みという側面がある。利用者からすれば、どうせ泊まるなら少しでもお得に利用したいという思いはもちろんであるが、ステイタスアップで上客扱いされるといった優越感を感じたりすることもあるかもしれない。
一方、チェーン毎の競争も激化している分野であり、今後、会員獲得のためにさらなるメリットを打ち出す会員プログラムが登場することもあるだろう。有名チェーンばかりではなく、各種ホテルによる様々な会員プログラムに思いがけない魅力を発見できるかもしれない。
なお、ホテルの会員プログラムについては、多彩メリットや限定的なキャンペーンなどもあり、限られたスペースで情報を網羅することは難しい。規約やシステム改変もあるので、実際の利用に際しては公式ホームページなどで最新情報を確認していただきたい。