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2018.03.09 16:00  週刊ポスト

【著者に訊け】佐藤卓氏 『大量生産品のデザイン論』

「私が出たのは美術系の大学なので、『われわれは言葉ではなく絵やビジュアルでコミュニケーションをするのだ』という風潮があったんですけど、世の中に出ると、『うーん、何だかわからないな。他の案ないの?』と言われてしまう(笑い)。なぜこうなるのかきちんと話さないといけないと気づいて、積極的に話すようになりましたね」

 自分と異なる意見を聞くのも面白いことだと言う。

「私がいいと思うのとは違う案をクライアントが選んだら、なぜそう思うかを聞く。相手の価値観がだんだん見えてくれば、じゃあ、こうすればどうですか? って。そうやって、少しでもいい方向に持っていく」

 デザインに制約があれば、なぜその制約があるのかを理解する。内部まで掘り下げるそのデザイン観から生まれた企画のひとつが「デザインの解剖」プロジェクト。「ロッテ キシリトールガム」やレンズ付きフィルムの「富士フイルム 写ルンです」などをテーマにした展示で、プロダクトデザインの必然性を解明した。

 デザイン専門の美術館「21_21 DESIGN SIGHT」には三宅一生氏らとともにディレクターとして立ち上げからかかわり、昨年には館長に就任している。〈デザインとは、一言でいえば「気を遣う」ということ〉だと考える佐藤氏は教育にも力を入れる。〈デザインマインドが必要のない職場、人間関係などない〉〈どうすればストレスなく物事を動かせるのか、どうすれば優しく人に伝えられるか、そういうことはすべて「デザイン」だからです〉

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