国内

改憲派も護憲派も、九条だけでなく第七十六条二項に注目を

安倍首相は九条改憲にこだわる(AFP=時事)

 日本国憲法の改正論議がじわりと進み始めている。憲法改正と言えば「九条」が頭に思い浮かぶが、評論家の呉智英氏は、改憲派・護憲派ともに見落としている点があると指摘する。

 * * *
 新聞紙面に憲法論議が出る時期になってきた。五月三日憲法記念日を二ヶ月ほど後に控えているからだ。三月二日付け朝日新聞に哲学者の國分功一郎が「言葉が失墜 『物語』なき憲法論」と題して、こんなことを書いている。

「憲法というのは高度に専門的・技術的であって、素人が容易に口出しできるものではない。ところが、戦後日本の憲法学を牽引してきた学者たちの言葉は」「どこか文学的だった」。それは憲法が「何らかの物語を必要とするからだ」。現在「憲法論議が盛ん」なように見えるが、それは「憲法を支えてきた物語が理解されなくなった」からだ。

 哲学者のおっしゃることは「高度に専門的」でよく分からぬが、憲法の理念を支える歴史が理解されなくなっている、ということらしい。確かにStory(物語)とHistory(歴史)は同原だ。

 しかし、私は憲法論議には「専門的・技術的な論議」こそが重要だと思う。法治社会では法はきわめて体系的かつメカニカルに構築されているからである。

 憲法論議でいつも争点になっているのは第九条(戦争放棄、交戦権否認)である。これは改憲派(再軍備派)・護憲派(非武装派)とも同じである。しかし、賛否は別にして軍備について考えるなら、第九条だけではなく、第七十六条二項にも思いを致さなければならない。極言すると、これを改正しなければ軍隊なんて保持できないし戦争なんてできないのだ。

関連キーワード

トピックス

SNS上で拡散されている動画(Xより)
「“いじめ動画”関係者は始業式に不参加」「学校に一般の方が…」加害生徒の個人情報が拡散、YouTuberが自宅突撃も 県教委は「命にかかわる事態になりかねない」《栃木県》
NEWSポストセブン
女優・羽野晶紀と和泉元彌の母の節子さん(右・時事通信フォト)
《女優・羽野晶紀“嫁姑騒動”から24年目 の異変》元日に公開された和泉節子さんとの写真から伝わる「現在の距離感」
NEWSポストセブン
金屏風前での結婚会見(辻本達規Instagramより)
《慶事になぜ?》松井珠理奈の“金屏風会見”にあがる反感「わざわざ会見することもない」という声も 臨床心理士が指摘する「無意識の格付け」
NEWSポストセブン
命に別状はないとされている(TikTokより)
「クスリ漬けにされていたのでは」変わり果てた姿で発見された中国人インフルエンサー、薬物検査で陽性反応…肺感染症などの診断も【カンボジアの路上でホームレス状態で見つかる】
NEWSポストセブン
大谷翔平は何番を打つか
《どうなる? WBC侍ジャパンの打順》大谷翔平は「ドジャースと同じ1番打者」か、「前にランナーを留める3番打者」か…五十嵐亮太氏と福島良一氏が予想
週刊ポスト
杉本達治前福井県知事のセクハラ問題について調査報告書が公表された(時事通信フォト・調査報告書より)
〈体が熱くなるの〉〈スカートの中に手を…〉セクハラ1000通の杉本達治・元福井県知事が斉藤元彦・兵庫県知事と「上司・部下」の関係だった頃 2人の「共通点」とは
週刊ポスト
SNS上で拡散されている動画(Xより)
【栃木県・県立高校で暴行動画が拡散】学校の周りにインフルエンサーが殺到する事態に…県教育委は「命にかかわる状況」 弁護士は「典型的ないじめの構図」と指摘
NEWSポストセブン
中居の近影をキャッチ(2025年12月下旬)
《ゴルフ用ウェアで変装して百貨店に…》中居正広、外出頻度が増えている 表舞台では“盟友たち”が続々言及する理由
NEWSポストセブン
16年ぶりに写真集を出す皆藤愛子さん
16年ぶり写真集発売の皆藤愛子 「少し恥ずかしくなるくらいの素の姿や表情も、思い切って収めていただいています」
週刊ポスト
中国人インフルエンサーがカンボジアの路上で変わり果てた姿で発見された(TikTokより)
《へそ出しタトゥー美女の変わり果てた姿》中国インフルエンサー(20)がカンボジアの路上で発見、現地メディアに父親が答えた“娘と最後に連絡した日”【髪はボサボサ、うつろな表情】
NEWSポストセブン
米国によってニコラス・マドゥロ大統領が拘束された(時事通信フォト)
《大統領拘束を歓迎するベネズエラ国民の本音》「男女ともに裸にし、数日間眠らせず、窒息を繰り返させる…」国連に報告されていた“あまりに酷い拷問のリアル”
NEWSポストセブン
新宿の焼肉店で撮影された動画が物議(左は店舗のInstagramより、右は動画撮影者より提供)
《テーブルの上にふっくらとしたネズミが…》新宿・焼肉店での動画が拡散で物議、運営会社は「直後に殺処分と謝罪」「ねずみは薬剤の影響で弱って落下してきたものと推察」
NEWSポストセブン