スポーツ

「もうひとつの暴力事件」相撲協会と加害力士の「嘘」暴く

元・三杉磯の峰崎親方(時事通信フォト)

 貴乃花部屋に所属する貴公俊(十両14)による“付け人殴打”が起きた春場所中日の3月18日、相撲協会は「峰崎部屋で暴力問題が起きていた」と発表した。本誌・週刊ポストが突き止めた真相は、改めて角界の闇の深さを浮き彫りにするものだった──。

「何の話か、よくわかりませんね」

 記者の問いにそう答えたのは、加害者力士・Aだ。本誌はこの暴力問題の情報をいち早く掴み、1か月以上にわたって取材を続けていた。そして協会が問題を発表する前日の3月17日、Aに直撃取材を敢行。

 あなたの暴力が原因で廃業した弟弟子について聞きたい──そう問うと、Aは“全否定”したのだ。

 にもかかわらず、この取材の翌18日、協会は「昨年9月末から今年1月にかけて、峰崎部屋の力士が、弟弟子に対して4回にわたり素手で殴るなどの暴力を振るっていた」と発表したのである。暴行が原因で引退した弟弟子・Bの父親が、1月末に峰崎親方(元前頭・三杉磯)に事実関係を質す手紙を送ったことで事態が発覚し、危機管理委員会が双方に事実関係を確認した上で、2月下旬に示談が成立したという発表内容だった。

 要は“十分に調査をして、すでに解決済み”という説明だったが、協会の発表は“示談成立”とする時期から2週間以上が経過したタイミングだった。春場所に出場していた加害者力士・Aが発表後に休場したことから考えても、あらかじめ準備された発表ではなく、本誌の直撃取材を受けて慌てて対応した形跡がある。発表が貴公俊による暴行当日に重なったことでメディアの扱いは小さくなったが、問題は深刻だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン