「“無断欠勤”は貴乃花親方を処分できる材料になる。出勤要請の警告文書を何度も送っていたのは、その累積で戒告や減給、最終的に業務委託契約の解除、つまり『解雇』まで見据えた“証拠作り”だったとみられている。貴乃花親方もその狙いがわかったからか、5日目以降、わずかな時間だけ役員室に顔を見せるというやり方に変えた。“何かやる仕事があるなら、顔を見せた時に命じればいい”というスタンス。すると今度は協会側が、“1分にも満たない滞在は出勤とは認めない”と警告する文書を渡すという応酬になっていった」(同前)
そんな状況が、貴公俊の暴力問題で大きく動いた。春場所千秋楽翌日の3月26日には、新理事による互選で新理事長が決定する。そして、同29日の理事会で貴乃花親方や貴公俊への処分内容が決まる。
「貴公俊に関しては、出場停止どころか引退勧告まであり得るのではないか。貴乃花親方は1月の評議員会で理事から2階級降格されてすでに『役員待遇』になっているが、もともと理事選落選によって新体制ではさらに1階級下の『委員』になるといわれていた。そこに今回の暴行の監督責任ですから、さらに下の『主任』、あるいは新米親方の指定席である『年寄』まで降格される可能性さえある。
そうなると、役員待遇以上にしか認められない国技館の地下駐車場使用もできなくなる。現場の雑用をやらなくてはならない上に、国技館の通用門から人混みのなかをモミクチャにされながら出退勤する、などという事態が起きるかもしれない」(同前)
貴乃花親方は貴公俊による暴力を謝罪し、「すべてをゼロにして出直す」としている。情勢は混沌としたままだ。
※週刊ポスト2018年4月6日号