◆世界中の“憧れ”に
近年のメジャーの「ブルペン依存」の流れも大谷を後押しする。昨季のリリーフ(先発以外)の投球回数は過去最高の38.1%を記録した。ポストシーズンでは実に46.4%にも達している。162試合の長丁場、時差を伴うタフな遠征などによる負担を考慮したとき、この状況は大谷を助けるに違いない。
大谷の他にも、実は二刀流を目指している選手がいる。昨年のドラフトで1巡目指名(全体4番目)のブレンダン・マッケイ投手兼一塁手(22・レイズ)だ。今年はマイナーでのスタートだが、素質は十分。大谷の存在が大いなる刺激になり、さらに続く選手の出現を促すかもしれない。
エンゼルスのマイク・ソーシア監督はこう語った。
「ショーヘイのチャレンジは日本やアメリカだけでなく世界中の子供たちの注目を集め、憧れの存在になるだろう」
大谷はメジャーを変革させる『現代のベーブ・ルース』そのものになろうとしている。
●取材・文/出村義和(スポーツジャーナリスト、J SPORTS解説者)
※週刊ポスト2018年4月6日号