Aさんの場合、症状が出る前に「MCG解析」を受けておけば先手を打てた可能性が高いと指摘するのは、東京国際クリニック院長の高橋通医師だ。
「この検査では、受診者の心電図データをビッグデータと照合して、心筋梗塞や狭心症の原因となる心臓の虚血(動脈硬化などによる心臓への血流不足)を判定します」
MCG解析の費用は1万6200円(税込み/浦田クリニックの場合)で、検査にかかる所要時間は10分~20分で済む。全国26の医療機関で受診可能だ。
また、動悸や息切れも心筋梗塞の予兆とされる。体の痛みに加え、これらが重なっている場合には、「MCG解析」よりさらに詳細に検査できる「心臓MRI」が選択肢になる。
「胸に電極をつけて、心臓の動きの周期に合わせて行なうMRI検査です。血管の狭い部分を検出し、冠動脈の状態を細かく確認できます」(高橋医師)
心臓MRIの費用は4万3200円(税込み/東京国際クリニックの場合)で、こちらの所要時間は30分だ。
人間ドックのように万人向けのスタンダードな検査では、その人の体質や生活習慣に合った検査を行なうことが難しい。だが自覚症状に合わせて検査を選ぶことができれば、万が一の病気リスクを最小限にとどめることができる。
※週刊ポスト2018年4月13日号