ただし、さすが百戦錬磨の麻生大臣、ちゃんと打つ手は打っています。

 13日朝の閣議後の会見で「(報じられたセクハラ発言が)事実だとするなら、それはセクハラという意味ではアウトだ」と、注釈付きで方針を変更する可能性も示唆しました。部下をしっかりかばう一面を見せつつ、展開によっては「あらかじめ言っているように、ちゃんと対処します」と毅然とした厳しい上司のフリもできます。いや、麻生大臣がそこまで計算しているのか、これは逃げ切れないという情報が入ったのか、そのへんはわかりませんが。

 その後の13日午後、「週刊新潮」側が次の手を打ちました。「セクハラ発言」の音源をネット上で公開。たちまちのうちに勢いよく拡散しました。音源では、女性記者の発言部分は消されていますが、福田氏の発言として「じゃ、予算通ったら浮気しようか」「手しばっていい?」など、聞いている方が恥ずかしくなってくるセリフがはっきり確認できます。

 会社で部下をかばう場合も、たとえ黒でもとことん味方し続けるという流れにしてしまうのは、あまり賢明ではありません。「もし事実なら」と前置きしつつ、厳しい処分の可能性も示しておくのが、とばっちりを避けるための用心深い切り捨て方と言えるでしょう。やむにやまれず断腸の思いで泣いて馬謖を斬る苦渋の決断……という態度を強調すれば、少なくとも自分自身は「切り捨てた」という事実から目を背けることができます。

 どう聞いても福田氏が言っている音源が公開されて、麻生大臣としてはどう出るのか。この記事が公開されるまでにも、何か動きがあるかもしれません。きっとまた、凡人には思いもよらない大胆な対応で、たくさんの教訓を与えてくれるでしょう。その言動をしっかり注視したいものです。真似したいかどうか、そういうことができる人になりたいかどうかはさておきとして。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン