◆SUVとしての便利さや魅力がある
SUVという名称は、「スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル」の略。SUVは大きなタイヤを使って、車体の位置を高くすることで、優れた走破性能を身につけています。段差を乗り越える能力が高く、セダンのように背の低いクルマと比べると、行動範囲が広いという長所を持っています。スキーやキャンプといった足元の悪い場所に行こうと思うのであれば、セダンよりもSUVの方が断然おすすめということです。
クルマの背が高いということは、ドライバーの目線も高いところにあるというのがSUVです。高い視点でクルマを運転すれば、遠くまでよく見ることができ、それが安心感につながります。SUVは視界が良いので運転しやすいという側面があるのです。運動性能的に背の高いことは不利となりますが、それでもミニバンよりもSUVの運動性能は上。フットワークも意外とあなどれません。
また、後席を倒せば、荷室のサイズを大幅に拡大することも可能です。荷物をたくさん積みたいという人には大きな魅力となります。アメリカでは、ミニバン=業務用というイメージがあり、子供を育てるファミリー世代の多くはSUVを選択するとか。子供の送り迎えや買い物、家族での外出に便利なクルマとしてSUVがもてはやされているそうです。
行動範囲が広くて、運転しやすく、荷物も積み込みやすい。SUVには、そうした美点が備わっているのです。
◆SUVは世界的なトレンドである
SUV人気が高いのは日本だけではありません。世界第2位の大きな自動車マーケットであるアメリカは、過去30年以上、ピックアップトラックのフォード「F-150」が最も売れるというお国柄。同じようなジャンルであるSUVも当然、高い人気を誇っています。
また、現在、世界一の自動車市場に成長した中国でもSUVの株は急上昇中です。経済成長によって生まれた膨大な「初めてクルマを買う」という人が最初に購入したクルマは「セダン」でした。しかし、最近の中国は「2台目のクルマを買おう」という人が激増中。そうした人たちが「セダンではない目新しいクルマ」としてSUVに注目しているという状況です。
そうした、世界の2大ビッグマーケットの影響もあってか、過去5年ほどのモーターショーでは、どこに行っても「SUVコンセプトカー」の展示が大流行り。人気があれば、当然、多くのメーカーが、そのジャンルに新しい新型モデルを投入します。
そして競争が激しくなれば、当然、投入される新型モデルのクオリティも高まるもの。魅力的な新型モデルの投入は、そのジャンルの、さらなる盛り上がりの燃料になります。「人気がある」→「魅力的なモデルが増える」→「人気がさらに高まる」という好循環にSUVが突入しているというわけです。