制服に着替えた関さんは、店長に「おはようございます」と挨拶すると、早速、店内を回り、商品を整えたり、補充する。しばらくするとお客さんがお会計に。レジに立った関さんは心安らぐ笑顔で接客。たばこの銘柄もバッチリ頭に入っているようで、頼まれたものを慣れた様子で即座に取り出していた。
午前11時、2階の保育園はお散歩の時間だ。6人乗りのカートに子供たちを乗せて、近くの公園へと向かう。
店の中からもその様子が見える。お友達と楽しそうにはしゃぐいろはちゃんの姿を確認して微笑む関さん。「この保育園に決めてよかった」と感じる一瞬だという。
「長女が生まれる4年前までは保育士として働いていたのですが、出産を機に辞めました。待機児童が多い大田区では、認可保育園に入ることが難しく、長女もその例に漏れなかったためです。仕事を辞めてから4年が経ち、どこかの会社で正社員として働き始めれば、認可保育園に入ることができるかもしれませんが、今は2人を育てながらフルタイムで働く自信がありません。でも、社会との接点を持つためにも仕事はしたいと思っていました。そんなときに、この保育園の存在を知って、すぐにパートとして働くことを決意しました」(関さん)
お昼まで働いた関さんは、その後、まず幼稚園の長女を迎えに行き、一旦自宅に戻る。一通り家事を片付けた16時過ぎ、長女とともに次女・いろはちゃんのお迎えに向かう。
ママの顔を見つけると、ヨチヨチと駆け寄ってくるいろはちゃん。そんなわが子を抱きしめる、関さんの表情は幸せそのもの。2人の娘を自転車の後ろと前に乗せて、元気に走り去った。
※女性セブン2018年5月3日号