忌憚のないふたりの会話のなかでも驚かされるのは、「信頼や信用」のおける弁護士の主張は「間違いがないだろう」と裁判官は受け入れる一方、「この先生はダメなんだな」と思うと、その時点で勝ち負けは「ほぼ固まっちゃう」ことだ。真実探求の場である法廷にあっても、「ファーストインプレッション」が「頭の中にインプット」されると、その心証はなかなか払拭できないわけだ。
弁護士選びに失敗しないための注意点のほか、勝つための「訴訟戦略のポイント」や、論理を整理し主張を組み立てる技術まで豊富なトピックが盛り込まれている。サラリーマンや自営業者であっても、大いに頷ける一冊である。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号