ビジネス

肩書き増加の背景 「副部長」と「部長代理」はどっちが偉い?

肩書序列は難しい(イラスト/福島モンタ)

 ある中小企業の経営者が銀行に融資の相談を持ちかけると、3人の行員が姿を見せ、次々と名刺を渡される。肩書きを見ると「副支店長」「課長」「支店長代理」と書かれていた。

 パッと見では「副支店長」が最も年配だが、肩書きの印象では“支店長の代理”である「支店長代理」が一番偉いように思える。誰がこの場の責任者なのかと逡巡していると、「支店長代理」が「課長」に敬語で話しかけ始めた。一体、どうなっているのか……。

 伝統的な組織体系の企業という印象のある銀行だが、その“肩書き事情”はかなりややこしくなっている。

 たとえば三井住友銀行の本部部門では、「部長」のすぐ下にまず「部付部長」という役職がある。そこから「上席推進役」「副部長」「グループ長」「上席部長代理」「部長代理」と続いていく。「部長」と「部長代理」との間には、実に5つものポストが存在する。「部長」が不在でもその“代理”を務めるのは「部長代理」ではなさそうだ。同行幹部の話。

「部長代理や支店長代理は入行7~8年目の30歳前後につく役職で、いわば主任クラス。さらに最近は若手のモチベーション向上のために入行5年目くらいで“代理の補佐”という『代理補』という肩書きもつくようになっている」

 そこまでいくと、“ほぼヒラ行員”ということである。この幹部は、「他行の人と名刺交換すると同じ銀行員でも混乱する。とりあえず『代理』よりも『副』と付く方が上位というセオリーで判断する。あと、ざっくりいえばシンプルな肩書きの方が偉い」と付け加えた(ちなみに本誌・週刊ポスト編集部の場合は「編集長代理→副編集長」の順)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
来季米ツアー出場権を獲得した原英莉花(C)Yasuhiro JJ Tanabe
《未来の山下美夢有、竹田麗央を探せ》国内ツアーからQシリーズへの挑戦の動きも活発化、米ツアー本格参入で活躍が期待される「なでしこゴルファー」14人
週刊ポスト
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
オリエンタルラジオの藤森慎吾
《オリラジ・藤森慎吾が結婚相手を披露》かつてはハイレグ姿でグラビアデビューの新妻、ふたりを結んだ「美ボディ」と「健康志向」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン