そこでも風間には、朝ドラなのにパトカーに乗せられるシーンが用意されたし、「壊す」という遊川氏の言葉どおり、風間の最期は寝たきりで終わった。
果たして、彼の仕事ぶりを見て「一緒にやってみたい」という人たちがまた増えたのだ。なかでもNHKは、Eテレの『ハートネットTV』「ブレイクスルー」のMCに彼を起用。障がいをもつ方とのストレートなトークによって彼らの置かれている境遇や内面に理解を深め、真摯に、しかし、笑いも交えながら向き合ってきた風間には、パラリンピック中継の現地リポーターという大仕事が舞い込む。ここでも、オリンピックのキャスターである中居正広や嵐の櫻井翔とは異なる、地味だが光る存在感を示す風間なのだった。
さらに、『銀二貫』『ぼんくら』、そして『西郷どん』と、ドラマにおいてもNHKから定期的なオファーを受けている。同局としては「朝ドラで全国区にしたのはウチ」という自負があるのかもしれない。
そうこうしている内に、民放のドラマからは、犯人ではない、多くの視聴者から応援してもらえそうな役柄でのオファーが来るようになった。最近では、『下剋上受験』や『陸王』(ともにTBS系)などが、それにあたる。
バラエティーではMCの他に、何年も前から「年間パスポート」を手に通っている『東京ディズニーリゾート』通としての出演も多い。
そして、この春、目を見張ったのが、風間俊介出演の『ダスキン』のCMだった。「くらしのリズムを整えよう」というシリーズで、風間は、いま、『日曜劇場「ブラックペアン」』(TBS系)で注目されている趣里と夫婦役を演じ、ナレーションも担当している。ちなみに趣里は水谷豊、伊藤蘭夫妻の長女。風間とは昨年、舞台『黒塚家の娘』で共演している。
『ダスキン』のCMと言えば、私の世代では、「100番100番」というフリーダイヤルや、きんさん、ぎんざん、さだまさしらの出演CMが浮かんだり、最近では観月ありさがチャッカリ主婦を演じていたのが印象的で、今回のような、ゆったりしたリズムの提案型CMは極めて珍しいように思う。
見た目にも、「ずいぶん若いファミリー」だが、穏やかな笑顔と優しい声で、家事メン、イクメンとして、「くらしのリズム」を整えることを提案する風間は、同シリーズにハマっている。
来月には、朗読劇で有名な『ラヴ・レターズ』に出演。「異端児」とも言われているが「ジャニーズの演技派」として、著名な演出家らに一目を置かれている風間が、どんな「アンディ」となって観客の前に現れるのか、いまからとても楽しみだ。
ジャニーズJr.時代に所属していたユニットのメンバーは、山下智久、生田斗真、長谷川純、そして風間と、くしくも全員がソロで活動。俳優業をメインとしている。
なかでも風間はいま、もっともオールマイティーで、時折やってくる“ブーム”では、明らかに引き出しの数を増やして我々の前に登場するのだ。
いま、また風間俊介のブームがきているような気がする。今度はどんなクリエイターが彼に注目し、「いつか仕事をしてみたい」という気持ちになるのだろうか。実に楽しみだ。