【左側の人、物にぶつかる 右脳に何らかの疾患】
脳の内部で異変が起きると、それが右脳で起きたか、左脳で起きたかで、異なる症状として現われる。
たとえば、雑踏で左側を歩く人とぶつかったり、左にある柱など、障害物を避けきれず接触してしまうようなことが頻繁に起こる場合は、「脳卒中などの疾患が右脳で起きている可能性がある」と前出の工藤院長は指摘する。
「右脳は、空間認識力や形を認識する映像処理、直感や感性などを司り、ここに疾患があると、距離感が掴めなくなったり、形状を認識できなくなったりします。左半身の動きが損なわれることもあります」
【右手で物を持つと落とす 左脳に何らかの疾患】
また、「呂律が回らない」「言葉が発しにくい」「右手で物を持つと落としてしまう」といった異変は、左脳に疾患があることが多いという。
「左脳には言語中枢があるほか、理性や論理的な思考、自発性、感情などを司る機能があります。ここにダメージがあると、記憶力が落ちたり、右半身の動きが損なわれる可能性がある。
脳をコンピュータに例えると、左脳が基礎計算を担うメイン機能で、右脳は想像力やひらめきを与えるサブ機能のような役割を果たしています。そのため、左脳に疾患が現われたときのほうがごく基本的な日常的活動に支障が出るケースが多いです」(工藤院長)
※週刊ポスト2018年5月18日号