ライフ

【著者に訊け】柚月裕子氏 警察vs極道を描く『凶犬の眼』

『凶犬の眼』を書いた柚月裕子氏

【著者に訊け】柚月裕子氏/『凶犬の眼』/KADOKAWA/1600円+税

 このほど白石和彌監督、役所広司主演で映画化された柚月裕子作『孤狼の血』は、自身大ファンだという映画『仁義なき戦い』や、現実の広島抗争をモチーフとしたことでも知られる。

「もちろん暴力を肯定するつもりはなく、例えば原爆のキノコ雲の映像から始まる『仁義~』を、私は向こう100年、草木一本生えないと言われた広島で人々が懸命に生き抜いた物語として観てきました。今でもあの緑の美しい町を歩くと、私の故郷である被災地もきっと大丈夫、と少し思うことができるのです」

 シリーズ第二作『凶犬の眼』は、呉原東署捜査二課の悪徳刑事〈大上章吾〉が前作で謎の死を遂げ、彼の相棒〈日岡秀一〉が比場郡城山町の駐在所に飛ばされた平成元年から始まる。が、地元〈仁正会〉内部の〈加古村組〉と〈尾谷組〉の全面抗争を見届けた日岡も本作では一駐在に過ぎず、〈わしは捜査のためなら、悪魔にでも魂を売り渡す〉と言って違法捜査にも手を染めた大上亡き今、果たして事件など起きるのか?

 因みに呉原は呉を、城山は県北の山村を模した架空の町だ。『孤狼の血』巻末には抗争後の勢力図や、日岡の平成16年までの処遇が年表形式で記され、本書及び現在連載中の『暴虎の牙』をもって、シリーズ三部作となる予定だという。

関連記事

トピックス

17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
本誌『週刊ポスト』の高利貸しトラブルの報道を受けて取材に応じる中条きよし氏(右)と藤田文武・維新幹事長(時事通信フォト)
高利貸し疑惑の中条きよし・参議院議員“うその上塗り”の数々 擁立した日本維新の会の“我関せず”の姿勢は許されない
週刊ポスト
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
NEWSポストセブン