ライフ

話題の「ゼロ円葬」 「生活保護なら葬式はタダ」は都市伝説

ジャーナリスト、浄土宗僧侶の鵜飼秀徳氏

 簡素で格安な葬儀が人気となっている。中には、まったくお金のかからない「ゼロ円葬」というものまで耳にする。こうした葬儀の実態とは? 浄土宗僧侶でジャーナリストの鵜飼秀徳氏が分析する。

 * * *
 葬送の簡素化が、急拡大してきている。葬送とは「死者を弔い、祀る儀礼や慣習」のこと。一般的には、葬式や墓地への埋葬などを指す。故人に対し、残された人は、地域の寺社と関わりを持ちながら、繰り返し弔いを重ねる。一般的には「死者がカミに昇華する」と言われる50回忌まで、生者と死者との関係は続けられていく。それが日本人の、死者への向かい方であった。

 しかし、そうした弔いの慣習が次第に失われ、日本は「無葬社会」と化しつつある。顕著なのが、葬式の規模の縮小である。

 参列者を集めないタイプの葬式「家族葬」。葬式をせずにダイレクトに火葬する「直葬」。これらの簡素な葬式はかつて、世間に死の事実を知られたくない場合に行われる「タブーな葬式」であった。だが、この5年ほどでごく一般的になりつつある。都心部では家族葬が全体の5割、直葬は3割以上を占めているとのデータもある。

 また、「墓なんかいらない。遺骨は全部海に撒いてほしい」などと、墓を建立せず「散骨」を望む者も少なくない。火葬後、船をチャーターして遺骨を海に撒く葬送サービスなどがある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン