ビジネス社会において、【1】の「責任は俺が取る」と言った人が、イザという場面で本当に責任を取る確率は、宝くじで何億円か当たるよりも小さいかもしれません。取れもしないし、そもそも取る気もないのに、目先の気持ちよさを味わいたいがためにこう言っているところが、極めてセコイ了見です。ドヤ顔で言っている人を見たら、心の中でせせら笑って、「ああ、今後この人の言うことは右から左に流そう」と心に決めましょう。

【2】の「指示した覚えはないが~」も、何かマズイことが起きたときに使ったら、受け取り方が間違っていたみたいに言われた側は、怒りと恨みを一生忘れないはず。周囲の信用も人望も一瞬にしてなくなるでしょう。ま、それなりに信用や人望がある人は、最初からこんなこと言いませんけど。もし会社の上層部がこんな言い方を平気でしていたら、会社を頼りにする気持ちや、何かあったら会社が守ってくれるという期待は即座に捨てましょう。

【3】の「誤解を招く点があったとしたら~」も、勝手に誤解するほうが悪いと言いたげなセリフ。このセリフが飛び出す場面のほとんどは、政治家の失言にせよ官僚のセクハラにせよ、誤解を招きようがない明らかにダメな発言や行動があったときです。わざわざ「あったとしたら」という留保を付けたら、往生際の悪さを振りまくだけ。言っている人を見たら、そのなりふりかまわぬ保身っぷりに遠慮なく冷たい視線を向けたいところです。

 もちろん、人間は弱い生き物ですから、責任を逃れたいとか、失敗を小さく見せたいとか、身を守りたいといった恥ずかしい感情が、ちょっとした拍子に湧いしまいがち。だからこそ、この3つのセリフを使ったり信じたりしないことを自分に強く言い聞かせることが大切です。

 残念ながら昨今の日本は、いわゆる「偉い人たち」が率先して使いたがるせいもあって、こういうセリフを使うと恥ずかしいという感覚がどんどん薄れてしまっています。時流に流されず、おっさんとしてのせめてもの意地を見せましょう。「この人は、ちょっと違う」と周囲の女性に思ってもらえたら、何かの拍子に「恋のタッチダウン」を決められるかもね(……す、すいません。どうしてもこの言葉を締めに使いたかったんです)。

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